アキを思うとき、私は、しっかりと描かれていないアキのいじめられていた過去、を思ってしまう。いじめられていた、というより、存在そのものをなかったことにされていた、過去。選択肢にすら、入っていなかった。少なくとも、アキはそう思っていた。
そこに自分が入る余地はどうしたって見つけられなかった。でもずっとそこにいるしかなくて、びくびくと怯えて暮らした、過去。強烈だ、と思う。アキはずっと、主役じゃなかった。
だから、春子の「でもみんなに愛されたね」は時々思い出して泣いてしまう。
あんたは何も変わってない、でもーとなることで、あれは、主役とか脇役とか関係ない、あなたはあなた自身のまま、愛されたんだ、って言ってる。頑張ってるから、とか一生懸命だから、とか理由は関係ないんだって言ってる。ユイに、それを言ってくれる大人は誰だろう。正確には、来た三陸の大人達だって言える限り言おうとしてはいるんだけど、もっと深く、えぐるように。ボディに。入れてくれる人は誰かしら。……私じゃダメかしら!?
せきららこのことを語る
