しかしこの感じ。何かで読んだな、いや、よくある設定だけど、このもやもやを書いた物語があったな、と考えていたら、今朝思い出した。
姫野カオルコだ。姫野カオルコの、「人呼んでミツコ」の中にこの感じをそのまま書いた話があったはず。
主人公はアルバイト先の会社で、セクハラを受けてる。
(「女って○○だよね」的なものから、「女は若くないと」「かわいくないと」とか「君はたくましいから。あ、これ、褒めてるんだよ」的なことを、ギャグとしてしょっちゅう言われてる)
同部署の女性上司も、ずっと同じ目にあってて(「○○さんの旦那はボランティアで結婚したの?」とかそういう)その、男性が口にする「みんなを盛り上げようというサービス精神で口にする、ちょっとブラックで気が利いてる(と思ってる)女性蔑視ギャグ」には、部署にいる他の女の子も笑ってる。
笑っている女の子だって、もちろん「セクハラ」は受けていて、ただそれは、「ブス」だの「デブ」だのという種類じゃなくて、”優越感を刺激する”タイプのものであり、女の子は「もー課長ったら-」みたいに言ってやり過ごしている。
そういうことにもやもやした主人公は、ある時女性上司に相談する。
「怒ってるんじゃなくて困惑している」みたいなことを。あくまで、笑っている女の子にも事情があって(処世術であるというようなことはやんわり理解している)、だから嫌悪感を持ちたくないのに、「あれー?」みたいにおもっててもやもやする、みたいなことを。
結局、女性上司は「ああいう事を平気で言う輩はいるからのだから、仕方がない、と思うことにして、せめて自分は同じ次元に落ちないようにしよう、と思ってる」みたいなことを言うのだった。
あれは、最後結局、主人公がそのくだらない駄洒落に駄洒落で返すんだった。
女性上司と二人「同じ次元に落ちてはいけない」と耐えていたのだけども、先に切れたのは女性上司の方で、だけどその切れ方は、決して「同じ次元に落ちた」なんていうものではなく、正論を真っ向から男性にぶつけるのだ。
そしてもちろん、場はしらけて、「これだから女は」って言われるのだった。
昨日までのやり取りを見ていて、似ているなあ、と思ったのは、「そういうことを言う男はどこにでもいる」とかそういうことではなくて、その後
町山さんの言葉に「軽口だよね、わかるわかる」というレスポンスを見たときだった。
「男子の部室」で聞いちゃった悪口を「女子の部室」で悪口言って対処する、という能町さんのやり方は、そうですよね、と頷くものだったけど、でも、かといって、「それはちょっと違うんじゃないですか」と本人に言う人のことをおかしいとも思わない。そういう軽口は、それを受けている人にとっては「真面目に向き合って解決して欲しい問題」だし、それが自分にむけられたものではない、といくら思ったとしても、ああいうことってギャグだよね、いっていいよね、これに反論するなんて無粋だよ?という空気こそが、その軽口を助長し、実際それに苦しむ人を作っているのだから。私は、笑いたくないし、笑えない。
