ハクと千尋のあれこれは、本当に唐突です。唐突の連続です。仕方がない。ハクも千尋も、基本的に互いの事を忘れているから。
でも、いくら忘れているからって、最終的に思い出すんなら、物語としては覚えている片鱗くらい見せてくれたっていいじゃない。
それが、物語を見せるって事じゃない。
銭婆はいいました。「一度あったことは忘れないものさ……想い出せないだけで。」と。
観客は、ないんだよ!その記憶!
単純に、あめこさんも書いてたけど、前半、千尋が水をちょっとだけ怖がるとかすればいいのに、と思う。
触るのもいや、と言うほどの恐怖心じゃなくて、顔は洗えるけど水に顔を漬けるのは怖い、とか川をみるとちょっと足がすくんでしまう(でも結果的に浅くて絶対溺れないだろう、と判断できれば目をつぶってえいやっと渡れる)くらいの。
りんとの会話あたりでもちらりと水が怖いんだよね、みたいな事を入れつつ、お腐れ様のエピソードなんかで大量に否応無しに水を浴びたりすることで、いつの間にか克服できちゃって
銭婆のところにいくために船に乗るあたりでは、りんに「あれ、あんた、水怖くないの?」「あ、ほんとだ。怖いって思わなかった」みたいな会話でも入れてくれたらいい。
「あ、ほんとだ、怖いと思ってなかった」という言葉に、心の清い人は
「ああ、ハクを助けたい一心で怖くなくなったのね……!」と思うであろうし、心の暗い人は
「あー、さっき、大量に水を浴びたからねーショック療法で治っちゃったんだねー」
などと思うであろう。
一体ハクは何を知っていて、何を覚えているのか。なのに、ハクは前半、ぐいぐいと千尋を助けてくる。まあ……人間だから?
でも、それだけでもないような空気感で助けてくる。そして千尋はなぜか、更にそれに対して命をかけてハクを救おうとしてる。
えーーわからん。なんで。この二人が、持ちつ持たれつの関係で、って言うのが理屈じゃないのよ愛なのよって言われたらそうなのかもしれないけど
でもこう、もうちょっと、もうちょっとあってもいいんじゃないか。
最初に橋のあたりで名前の話をした時に。
千尋、当たり前みたいに疑いつつハクについていくけど「どうして私の事を助けてくれるの」位聞いてもいいんじゃないか。
例えば、ハクはもうちょっとはっきり千尋の事を覚えてて「千尋は知ってるはずなんだ、僕の名前を」位あってもいいんじゃないか。
えーとですね、千尋にしかハクを救えない、と言うエピソードをはっきり説明してもいいんじゃないか、と思うんですよ。
その説明が入れば、千尋が使命感を持って、命がけでハクを救おうとする事が、理解しやすいんじゃないかと思うんです。
長い。次。
