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微妙・デル・トロのことを語る

【誘拐の掟】
とても面白かった。原作等々全く読んでいないが、すごーーく良かった。
ぴあ映画部の酔いどれトークで、女編集長が「少女愛を感じてしまって」みたいなことを言っていたので心配していたが、そんなのは全然大丈夫だった。
教頭は「スカダーの男のロマンが」みたいなことを熱弁していたが、それもそんなでもなかった。
私が感じたのは「アングラで一人で生きている男の父性」みたいなもの。
それはリアムという俳優が作り上げているのかもしれないが、出てくる人はほぼマット(リアム)より年若い人ばかりなので、自分の過去と向き合うと、自然と湧き上がる父性のようなものがたまらない。そして、それが哀しみも呼びもするわけでして。これがマイケル・ファスベンダーやライアン・ゴズリングなら、編集長の言う少女愛をみて痛みを感じたかもしれないので、リアムというキャスティングは正解だったのだろうと思う。イコライザーもそんな感じで良かったけど。
それから、アングラだからこその危うさもこの作品の魅力。
力を貸してくれる人たちもアングラでの繋がりだから、とても心もとない。TJ、ケリー、ピーター、ルーシーのパパ、墓場のあいつもそう。そんな中でマットにしか助けを求められない。この強いながら頼りない繋がりで、私の心は張り裂けそうだったよ。ハードボイルドってのはこうでなきゃ。
いやー、とても面白かった。
ぴあ映画部にはもう騙されない!(笑)