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微妙・デル・トロのことを語る

【ちょっとだけ語らせて】【気持ち悪い長文】
ジュラシックワールド、とてもよかったんです。何がよかったって、子どももだんなもいない私のような人に優しい映画だったんです。
あの門をくぐってあの音楽が流れる。
それだけで感動で涙ぐめる世代がいるわけです、この世には。
「パーク」を観て、DNAを使えば恐竜を蘇らせることが出来るのかもしれないの?すごい!でもそれって危険なのね!っていう気持ちになった人たちがこの世界には大勢いて、それは半日の時差があり、半日飛行機で飛んでいかなければならないこの離れ小島でも同じなんです。
そんな私たちの感動がなければこの「ジュラシック・ワールド」はできていなくて、そんな私たちの夢の存在としての分身のようなオーウェンとロウリーが「パーク」のグラント博士たちとはまた違う形で活躍しているわけなんです。そして「超カッコいい」と言われる。もうそれで感動なんです。パパじゃなくても彼女いなくてもカッコよくなれるんですよ。そこがいいんです。とーーってもいい。優しいんです。仕事で一生懸命だったクレアだって目の前から甥っ子がいなくなれば辛くて哀しくて仕事ほおりだして(それもどうよ?と思うけどww)必死で探すんです。「あなたも喜んでくれると」なんて言って泣いてるくせに仕事している母親より劣ってる、優しくない、なんてことは絶対ないよ、って思える。
で、それって「パーク」がシリーズ通して家族は描かれていながら「幸せな家族の姿が壊されるかもしれないからがんばるお父さんやお母さん」とかとしては描かれていないんですよね。それとグラント博士が子ども嫌いだったっていう設定もすごく生きてるんです。それでも悪くない、っていう優しさもあっていい。
「1」は姉弟の両親はさっぱりわからない。
「2」は子どもは出てくるけど別れた奥さんとの子ども。
「3」は別れかけてるんだか別れたけど復縁したんだったか忘れたけど、どの道あまりうまく行ってなかったおかげで子どもが妙にタフになってる。
今回もそれを踏襲しているのか、弟が両親が離婚しそうだみたいなことを言い出すし、叔母との関係やここに二人だけでこさせた事からもなんとなく磐石ではない感じはする。だけど、それが悪いなんて一言も言ってないんです。それがとても優しい。世間で言えば「うまく行ってない」人たちにも押し付けがましくないんです。これだけのビッグタイトルで、家族向けでありながら。
しかも私のような「うまく行っていない」一視聴者でもジュラシックパークを見て感動したことで、20年後の今、この大ヒット作品を作るのに役立ってるような気持ちになることが出来て、しかもそれでいてまたこれを見て感動する子どもたちがいるのかと思ったらとってもとっても嬉しいと思う人間だったんだ、って思うことが出来る。そして、これを作ったのがスピルバーグ本人じゃないって言うところもポイントで、後の世代がきちんと受け継いでいけてるのかな、って思えたらすごく嬉しい。
そんなわけで、二十年以上ずっと映画を愛して見続けてきた私たちのような人へのご褒美のような作品だったな、っていう気がして、すごくすごく感激したので、ここに書き記しておきますね。