「もう十分生きたから、いつ死んでもいいの」と繰り返し言う彼女に腹が立って仕方がない。
でも、それはまだぼくが生き切ってないから、怒れるかもしれない。
自分にもいつか死がやって来るのをひたすら見ないようにして、ぼくは生きてきたのだ。
「白血病かもしれない」と彼女は言う。それでも一緒に生きたいとぼくは願う。
でも一体何なんだ、この人生は?って心の中で思う。世界の中心で叫びたい。
「そういう人間は60日連続勤務なんてしてちゃいけないし、自分の体は自分で守れよ」
と言っても、彼女は全く聞き容れるつもりがない。氷河期世代の彼女も(ぼくも)、劣悪な環境に過適応してしまっているのだ。
さっきまで自分の命の半分を捧げたいって思ってた気持ちがみるみる消えてしまう。
死を前にした人には、ロマンティックな言葉は全く効力がない。
でも、さらに頭に来るのは、その原因が彼女のことが好きだからっていうことだ。
オッケー、こう言っても無駄なことは分かってる。白血病の人には何言っても、勝てまい。
でも、ぼくも白血病で、あとわずかな命だったとしたら…。
なんて、すごい病人カップルだ、ぼくらは、と思う。ブラックジャックの「ウスバカゲロウ」か!!
じたばたせずに懸命に生きて、やることやって死を迎えたいってぼくは思ってきた。
でも、その意思は弱すぎた。
ようやく見つけた最愛の人もしばらくしないうちに死ぬなんて、切なすぎるだろ。
一体何のために生きればいいのだろうか? たとえ、もし彼女や自分が病気じゃなくっても、
ぼくの中からはぼく自身をこの世界と繋ぎ止めておく理由はすでになくなりつつあるのだ。
って、思うか。
あるいはそれでもこの運命に打ち克ちたいと思うか。それを決めるのは誰でもない自分自身だ。
って、どんでん返しすぎる純愛小説ってことで、全部嘘です(笑)。
全部、嘘であってほしい。
自分(id:happysweet55)のことを語る
