いったい何のためにここに来たんだろうか?
どこまでも続く堤防に腰かけて、ぼくは煙草に火をつけて、思った。
何台ものタンカーが沖に浮かび、製鉄所か発電所の煙突からは細い蒸気が伸びている。
その海は、ぼくらの家族にとって、全ての始まりの場所だった。
もし、ここが綺麗なだけの海だったならば、ぼくは生まれてこなかっただろう。
沢山の死が流れ込み、茶色に汚れた海が沢山のハゼやアジなどの魚の群れや貝をつくった。
(それは本当にうんざりするほど、取れた。家中が魚臭くなるくらい)
それが祖父の肉体をつくり、母の肉体をつくり、ぼくの肉体をつくったのだった。
素晴らしく大きな円環。壮大な詩。ぼくは死んだら、また海に戻るだけだ。
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