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自分(id:happysweet55)のことを語る

『ビフォア•サンライズ』と『ビフォア•サンセット』というイーサン•ホークとジュリー•デルピーが
主演しているマイナー作品が自分の中で最も好きな映画になっているのは、たぶんこの世の中には、
どこかに運命の人がいて、出会うことができるってまだ信じているからだ。
で、この映画は主演の二人がひたすら話しているだけの映画なんだけれども、
すごく会話が粋でチャーミングなのだ。そして、切ない。
特に続編のほうはなんだか古典映画の『哀愁』のラストシーンその後みたいな感じで。
特にジュリー•デルピーが可愛くて(彼女はフランス政府だか国連にいて、
今は環境系のNPOで働いているインテリの過激な環境論者だ)、
子供の頃に学校に通うのに二時間ぐらいかかっていた話が好きだ。
ちなみに、ぼくは31歳の誕生日をウィーンのモーツアルトというオーストリア人のおばちゃんがやっている
激安バーで同じ歳の韓国人の女の子と迎えた。
ピンク色のセーターを着たいかにも垢抜けていない鼻ぺちゃな目の大きな女の子だった。
「ピンキーはモテへんやろ。英語できないし、センス悪いし、頭悪そうだもんねー」
といじりまくって、ぼくたちはぐでんぐでんになるまで安いウィスキーを呑んだ。
彼女はつい最近会社を辞めて、無職で、彼氏もいなくて、親父さんとお袋さんはソウルで定食屋をやっていて、
知り合いのいるポーランドへ向かう途中で、ぼくと映画の趣味が完璧に合った。
「オーマイゴッド‼︎ あなたは私の探していた人だわ‼︎」と彼女は言った。
「よく言われるよ、特にあまり可愛くない韓国の女の子にはね」とぼくは足もとがフラつく彼女を抱えて、宿に帰った。
ホテルのドアになんとかたどり着いたところで、ぼくは彼女のことをギューっと抱きしめた。
ピンク色のセーターがちくちく顎に刺さって痛かった。君は、そして、ぼくはもうちょっと器用に生きようねと伝えたかったのだ。
街は-10度くらいで何もかもが凍りついていて、雪が降ってた。
ぼくたちはアドレスを交換しなかったけれど、彼女の身体の温かさを、毎年寒くなるとふと思い出す。
たぶん、あと何年経っても、覚えているだろう。ぼくらは今もゆで卵のように温かく、湯気を立てて生きているのだ。
そして、その温かさはぼくたちが生きていく上で結構支えになるものだ。もしも彼女に記憶が残っていればの話だけど。