沢木耕太郎の『深夜特急』の第一巻を読むと、
正確には第二章の「香港」の扉に乗ってる地図を見ると、
啓徳空港という今はなき幻の空港が乗ってる。
その昔、香港に降りる飛行機は、高いビルのすぐ近くを
飛んでいたのだ。今、香港国際空港やディズニーランドが
ある新界は真っ白だ。どうしてこんなに香港が好きなのかは
よく分からない。けれども、はじめて香港に降りた時の
衝撃は今も憶えてる。うまく言葉にできないけれども、
着いたのが夜だったのもあるだろう。バスの乗り方を含め
すべてが分からなかったのだ。そして、目覚めて、すぐに
目ぼけまなこで乗ったマカオ行きの高速フェリーから見た
高層ビルの姿にぼくはおそらくやられてしまったのだ。
マンハッタンなんて全く目じゃなかった。それくらい圧倒的、
壮麗な高層ビルが無数に立ち並んでいた。マカオの貧しい
地区に行っても、そこが貧しければ、貧しいほど、古くて
細い高いビルが林のように立ってた。一歩路地に入ると、
腐ったカレーをお湯で薄めたような、すえた下水の匂いがする。
年中屋台みたいな店で、誰かが誰かにものを売ってる。
干し肉、漢方薬、貴金属、オーディオ、時計、新聞、飲料水、
偽物のブランド品、衣類、バッグ、、おお香港、マカオ‼︎
どうして君たちはそんなに魅力的な街なのか‼︎
ぼくはバンコクとかコルカタ、マラッカとか行きたい国に
全然行けないじゃないか‼︎ とそのくらい素敵なんだ、香港は。
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