[なにかの種]
彼は無職となった。
その直前、彼は女に別れを告げている。あるいは別れを告げられたのかもしれない。彼にとってはどちらも同じことだった。よってこのエピソードは彼が無職を選んだ事とは無関係である。と彼は考えている。
しばらくして彼は求人面接へ赴く。金が必要だった。生活するにも遊ぶにも金が足りなくなってきた。
しかし彼には志望動機などない。
彼は不真面目ではない。むしろ以前の仕事では真面目によく業務をこなすという評価を得ていた。
面接官は彼の受け答えに満足を得なかった。
しかし人を雇わねばならない。が雇うからには勤労意欲のある困難もい問わない人物が必要だと考えている。面接官が求めているのは知識だけではない(彼はその点及第点だった)、熱意がほしいのだった。
面接官は彼に熱意を期待した。が彼は熱意など持ち合わせていない。
面接官は何度も同じことを詰問する。覚悟はあるかと。こういう作業がある、とても正確さと速度が求められるものだ。君にこれができるか、と。
彼は答える、やらせてもらえるのであれば最善は尽くす。私が必要なら雇えばいい。しかしできるかどうかはやってみなければわからない。
!q:oaglnqのことを語る
