地球全域を襲った群発地震災害「世界大震災」により電気と石油の文明は壊滅的な打撃を受けた。しかし、地震に伴う地殻の異常活動によって生成された新物質「三蕩石(トリシンクロン)」が発見され、人類は新たなエネルギー源を得た。そしてそれは同時に三蕩石を巡る争いの始まりでもあった。
ある日のこと…、ユーラシア極東地方のある鉱山で、坑夫某が自分の持ち場を掘っていた。ところがこの日はいつになく水が染み出す。ポンプを入れて水を捌きながら仕事にかかるがいつまでも膝まで浸かる。三蕩石が放つ微かな光が水面に撥ねて坑内が黄緑色になる。
ともかくも石を切り出していく。いつものように…、だが、驚くことがあった。三蕩石の鉱脈の中にところどころ空洞ができているのはたまにあることだが…、その空洞の中に、真っ裸の赤ん坊が眠っていたのだから……今掘り出したところに……まだ誰一人触れたはずのないところに……まるでずっと前からここに眠っていたかのように……。
……それから十五年の時が過ぎた……
[ある未発表小説の断片]
自分(id:Kodakana)のことを語る
