「ブルーリベンジ」、昨晩観了。原題は「Blue Ruin」。
すごかった。
家族を殺された男が、殺人者の釈放を知り復讐に乗り出す。
以下、ネタバレするような気がします。
主人公ドワイトは、凡庸というより、やや虚弱な感がある中年男で、見るからに暴力や復讐が似つかわしくない。序盤、ドワイトがヒゲを剃ってから「ノーカントリー」の殺人マシン、アントン・シガーの青白い顔、濃紺のデニムジャケットなんかを連想したけど、ドワイトはシガーのような人間離れした無機質で無敵の存在ではない。計画通りに事が運ばず狼狽えるし、痕跡を残しまくって狼狽えるし、怪我をして狼狽える。復讐心を燃やす激情もきっと秘めているが、それに以上に、どこか、絶えず沈着しているように見える。有り体に言えば、心が死んでいるようだ。画面の端々いたる所に現れる青い小物、青い衣装、青い光はドワイトの心もようなのか。まんべんなく散りばめられた青色は見る側のテンションも抑制して、いつしかボルテージが上がりきらない復讐者ドワイトに同調してしまった。
終盤、破滅が間違いなく訪れる場所で、ドワイトはただただ待つ。警戒すると同時にリラックスして、所用をすませ静かに暇を潰す。その場所にそぐわないドワイトの大胆さに反比例して、観客側には居心地の悪さ、いつ破滅が訪れるのかという緊張感がきりきりと増していく。
間の取り方と、偏執狂的なまでの小道具へのこだわり。低予算でも創意工夫でいい映画はできるのですね。登場した青いもののリストを作りたいなんて思いました。
