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残業(トナカイ)のことを語る

小腹が空いたので、昨晩の第二納涼会でweredogさんからおみやげに頂いたマンゴーの飴を食べることにした。小さい袋を開けてみると内容物は予想に反して、グミであった。あめ玉ではなかったか。よく見ると袋にMango Gummyと書いてある。中央に堂々と記載された商品名を見落としてしまう自分の不注意は棚に上げて、袋を開封した時に分裂した宇宙、小さい袋から生きた猫がにゃあと出てくるタイプの宇宙について考える事で現実逃避を試みたが、それではあまりにも猫が不憫である。さて、半透明なオレンジ色の柔らかい物体をいよいよ口に放り込んだ。かすかなマンゴーの香りが口腔内に拡がって、行くだろうと私はここでも早合点をした。半透明なオレンジ色の柔らかい物体をむんずと噛みしだいた瞬間に脳裏に浮かんだ光景は、あれである。「美味しんぼ」で、山岡士郎が鰹のたたきの作り方について説明しているページである。もしかしたら「美味しんぼ」ではないかもしれない。脳裏に浮かんだ山岡士郎じゃないかもしれない人物は、鰹のたたきは、表面を藁焼きの火で手早く炙り、すぐに冷水にひたして冷やすのだと説明する。これまで鰹のたたきを口に含んだ際に山岡士郎的なるものを想起したことはないが、このマンゴーグミはそれを可能にした。口の中で起きた反応について考えると、まずは、なにか燻されたようなスモーク感がもはーんと口いっぱいに広がり、その後でマンゴーの風味と甘さが存在感を次第に発揮し始めたようだった。スロースターター。もぐもぐと咀嚼すると、明らかにマンゴーの味がする柔らかい物体を食べているのだが、やはりどこか煙たい。不思議とイヤな感じはない。マンゴーという果物は実際こうした燻製みたいな調理法をするのがグローバルスタンダードで、温室育ちの私はマンゴーの酸いと甘いのうち、濃縮還元された甘みの部分しか味わったことがないのかもしれなかった。それを確かめるように、もう一つマンゴーグミの袋を破いて、にゃあと這い出る猫を端に避け、半透明なオレンジ色の柔らかい物体を摘み出して、口に含んだ。そうすると、一度目で慣れてしまったのか、先のスモーク感はずいぶんと薄れて、それはすでに紛う方なきマンゴーの結晶であった。チェイサーを用意すべきだったとか後から思ったけど、すべてが山岡士郎の手の内だったようなそんな印象に落ち着きました。おのれ士郎め。なんだか面白美味しかったです。ごちそうさまでした!