骨川「ラジコンマニアのいとこからドローンを貰ったんだ、空き地で飛ばすから見においでよ」
野比「僕も見たい!」
骨川「君はすぐ壊すから貸してあげないけど、見るだけならいいよ」
空き地へ
骨川「これがドローンだよ」
剛田「俺にも貸せ」強奪
骨川「わわ、もうちょっと丁寧に丁寧に」
ドローン、やばい公的施設に墜落
骨川「ぎゃー」
剛田「お、俺知らねえ、野比!お前がどうにかしろ」
野比「ドラえもーん」
野比、リモコンを片手に泣き走る
野比、包囲網を突破できず帰宅中に警察官に逮捕される
野比の証言を元に野比家を調査を進めた公安部は、衛星写真から野比家家屋内に原子炉が存在することに着目
政府は半径20km圏内の住民に対して避難を勧告した
みんな離れ離れになってしまった。ドラえもんはあの日、忽然と姿を消した。一時は自衛隊が介入する事態にも発展したが結局原子炉は確認されず、程なくして避難勧告は解かれた。事件以降、野比家一家の姿を見たものはいない。街の住民が疎開した影響で、元々傾いていた剛田商店の経営は立ち行かなくなり、剛田は小学校を卒業する前に他県へと転校して行った。空き地があった場所にはファミリーレストランが建っている。そこの駐車場に車を停めて、かつて土管が積んであった辺りを見ると、骨川の脳裏に少しだけ、あの頃の情景が蘇るのだった。理不尽な暴力に怯えた日の空の色。訳の解らない道具で恥をかかされた時の土の匂い。不意に沸き起こった、懐かしい、という感情に支配される前に、骨川は土管の方を向いてアスファルトにつばを吐いた。
