父が可愛がっていた、近所に住む父の姪になる従姉とその娘。
毎年お年玉をあげていたのを、去年まで知らなかったんだよ。
知らなかったっていうか、あげてて当たり前なんだけど父も言わないし、敢えて聞かないし。
去年、父からことづかって渡しに行った。
今は高校三年生。立派なじいちゃんはいるけど父親はいなくて、就職のために免許を取らなくちゃって、高1からずっと近所のスーパーでバイトしてた。
今夜バイトが終わる時間になったら渡しに行こうと、父の代理のお年玉の用意をして、ささやかなプレゼントを買いに行った。
ついでにそこのスーパーへ買い物に行ったら、いつもは六時までなのにまだ働いてた。
もう終わりの時間?って聞いたら、「今夜は八時半までなんです」って。朝九時からだよ。
頑張るなあ。
急いで車へプレゼントを取りに行って、はい、今年は畑のじいちゃん(と呼ばれてた)の代わりにと、お年玉と一緒に渡してきた。
びっくりしていいですいいですって言ったけど、もうお年玉も今年が最後だしねえ。
畑のじいちゃんもあげたかったと思うよ。
就職も決まったって言ってた。よかったよかった。
きっと畑のじいちゃんも喜んでる。
