十年前に母の手術にためにしばらく実家にいたとき、いつも買い物をするスーパーがあって、そこのレジにギャルがいた。
見た目は、大丈夫かこの子って思った、ばっちりギャルなんだけど、手早い仕事、明るく丁寧な言葉使い、笑顔。
すっかり密かなファンになって、彼女のいるレジが空いていればいつもそこへ行ってた。
その長期滞在から数年たって、こっちへ戻ってきたらまだ彼女が働いてた。
その見た目とは違う地味な仕事ではあるのに、相変わらずギャルで笑顔で嬉しかった。
その店で買い物するときはいつも彼女のレジへ並んだ。気持ちがいいからね。
今日、久しぶりに行ったら彼女の胸のプレートの名前が変わってた。
結婚・・・? いや、早婚で離婚かも・・・?
ふと見たら左の薬指に、新品です!って誇らしげに光を放つ指輪があった。
口からするっと「ご結婚されたの?おめでとうございます」と出てしまった私はオバハンだと思った。
「あ、気づいてくれました?これからも頑張りまーす!」って、初めて話しかけた私に返事をしてくれた彼女はやっぱり笑顔でギャルで可愛かった。
しかし、十年前から同じギャルのまま全然変わってないんだよ、彼女。いったいいくつなんだ?
お幸せにねと、密かなファンのおばちゃんは思ったのだった。
