高校に入った年に、大学を卒業して着任した男の先生がいた。
ギリシャ彫刻みたいな彫りの深いきれいな顔をしていた。
若いだけに、熱血でなんとかして授業に興味を持ってもらおうと必死なのが傍目にもわかった。
しかし。あんまりお利口さんでない学校での常としてみんなあまり熱心に聞いてなかった。
興味を待たせようとした先生は、自分の大学時代の話や、趣味の映画のことを話してくれた。
授業には興味がもてなかった私だけど、映画の話には食いついた。
その後、映画の話だけをするために友達と研究室に入り浸っていた。
ある日、映画を見に行こうということになり、日曜の駅で三人で待ち合わせて、電車で一時間ほどの街まで出かけていった。
映画を見てパンフレットを買ってもらい、お昼を食べさせてもらい帰宅した。
新卒間もない一人暮らしの先生には結構な出費であったろうなと、自分が働くようになってから思った。
そんなふうに生徒と教師が休日に遊びに行くなんて、今は難しいだろな。
のんびりした田舎の学校だった。
今はどうしているのかな。まだ熱血教師でいて欲しいと思う。
