十年ほど前に上高地の焼岳に登った時、「上高地の山に行こう」と誘われて、登山ではなく山歩きと勘違いした私は(詳細を言わないまま誘う方も誘う方だ)、ストレッチジーンズ・綿混のTシャツ・綿100の厚手パーカーという、山で一番やっちゃいけない格好をし、ウエストバックひとつでふらふらと出て行ったのだった。
歩き始めて一時間、これは山歩きではない!登山だ!と気づいた時にはもう遅く、ただ進むしかなかった。
三時間かかって頂上に着くと、中高年ハイカーさんに「まぁ、あんな格好でよく・・・」と。
若干視線が痛し。
山頂で水とおにぎりで30分ほど休み、また三時間かけて下ったのだけど、きつかったけど案外行けちゃったのよ。
それで勘違いしちゃった。
そうよ、中学の時の一泊二日の中央アルプス登山だって、たいして苦しくもなく行けたんだし、けっこう出来ちゃうのかも?(何年経っているか考えろ、私)
しかし去年の、中学と同じ山への登山で、昔は下から登ったとこを、ロープウェイでショートカットして、最後の岩場から山頂にだけ登り始めたら、五分登って五分休む繰り返し。
今日も同じで、心臓が口から飛び出そうなくらいの動悸と汗。
頭は進もうとするのに、足が出ない。足が上がらない。
そしてふと気づく。
私、喉元過ぎると忘れちゃう性格で、山頂でほっとすると、どうやら苦しかったことを頭が消去しているらしい。
おお、きれい~!ここまで来たね~!ですべて上書き。
で、また誘われると二つ返事で出かけていく。
脳味噌のシワが少なくなっている対策として、せめて装備だけはきちんと用意しようと思った、今日。
