私が最初に自殺というものを意識したのは小3だった。
母が私と年の離れた弟を産み、母の双子の姉妹も揃って女の子を生んだ。
私には九歳離れた弟と従妹ふたりが、ほんの一ヶ月の間に増えた。
それを見届けたように、二ヶ月もしないうちに曾祖母はある晩眠ったきり起きることはなかった。
夜中に物音に目覚めると、おばあちゃんが「ひいばあちゃんが死んじゃった」と私に言った。
まだひとの死なんて理解できなかった。
すでに曾祖母はほとんど眠ったきりで、同じ家にいながら交流はなかった。
94の老衰のお葬式はお祭りで、たくさんのひとが出入りする数日はわけもわからないまま過ぎた。
それから、ひとが死んだことにようやく気づいた。
そして考えた。
おばあちゃんが死んだらどうしよう…。
世界がなくなるよりおばあちゃんがいなくなるのが怖かった。
考え付いたのは、おばあちゃんが死ぬ前に私が死ねば、そんな想像もつかない恐怖を味わうことをしなくてすむというものだった。
その前の日に自殺しようと決意した。
大人になって、家族を持つとつらいことを乗り越える力になってくれるのかな…と思ったりもしたのだけど、いろいろあって私は独り暮らしになり、また同じ問題に直面している気がする。
わかってるよ、間違っているのは。
だけど、ひとりになって親のいる地元に戻ったら[こども]の気分になってしまって、そんなことばかり考えてしまう。
結婚してた時は遠隔地にいたんで、今地元にいられることを嬉しく思うけど、ひとりで立ち向かわなければならない現実が、着実に近づいていることが時々身にしみて、すごく悲しく不安になるんだよ。
さっき笑った顔を見てきたのにね。
おばあちゃんは今、曾祖母と同じ歳になった。
ゆきのことを語る
