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雪杯×すのう!のことを語る

ジェフ・ヴァンダミア サザーン・リーチ三部作『全滅領域』『監視機構』『世界受容』のネタバレ感想

『全滅領域』はスタコメに書いたまんま「これ(『全滅領域』)だけだと、面白いんだけど「ソラリス」+「路傍のピクニック」のハリウッドミリタリー仕上げみたいなかんじ」で、映画化も想像がつく感じでした。
主人公である生物学者がものすごく猜疑心、敵愾心の強い人で、自分以外の全てを全否定で、常に自分は「客観的」「合理的」に世界を観ている(他の全ての誤った人と違って)と言い張るのですが、そのせいでかえって、この行程中この人の下した判断、行動が疑わしく感じられて、ここには全く違うストーリー、背景があるのではないか?とむずむずさせるのです。エリアX自体も魅力的で、ものすごーく引っ張る力が強い作品だったと思います。(今にして思うと、これで終わってもよかったくらい)

『監視機構』も『全滅領域』と同じ、一人の主人公の内面が主に描かれつつ、エリアXの調査をする機関の内情が明らかにされます。と言っても、全然明らかにはならないのですが。読み始めてすぐに感じる主人公の行動への違和感は、後半理由が明らかになり、或る種の叙述トリックのような「なるほどねぇ!」という感慨を抱かせます。が、今思うと、第2作への各登場人物の説明みたいなかんじと、エリアXに負けず劣らずの組織の正体不明おどろおどろ感のみ…であったなぁと。ラストの第3作への繋のシーンは、はい?って思うほど…工夫がないっていうか…。その前の「待ってました!真打ち(ネタバレしちゃうと心理学者とエリアX)登場!」なシーンがなければ、『世界受容』への道は私には険しいものになったと思います。

『世界受容』は、前2作と違って、これまでの主な登場人物が(少しの仕掛けはありつつも)登場し、それぞれの視点で物語を紡ぎます。なので、物語の全体像が見えてもよかったのですが、仄めかし程度だったり、「あれはどうした?」という伏線ほったらかしなどちらほらでした。ストーリーが広がったり深まったりする方向のほったらかしは好きなのですが、明らかになったこととして描かれている部分の内容が「え?」って思うほどありふれていたせいもあって、残念な気持ちになりました。
登場人物それぞれが、前2作の役割から開放されて人間らしかったところはよかったけれど、「あぁ、そこに落ち着いちゃったのか、SF的なオチはなしか…」というのが正直な感想です。