ベランダのちょうど下辺りから聴こえてきた会話
おばあちゃん「トラキチ、どこに行くの?」
トラキチ「………」
おばあちゃん「犬に追いかけられたら、怖いでしょう」
トラキチ「………」
おばあちゃん「外はもう寒いよ」
トラキチ「………」
おばあちゃん「おいしいものあるからね。おうちで食べよう。ね?」
トラキチ「んなぁん…」
おばあちゃん「さ、おうちに帰ろうね」
トラキチ「んなぁん。なん。」
日当りのいい歩道にしゃがんで、猫を撫でていたおばあちゃんと、撫でられていた猫。トラキチはしかし虎縞ではなかった。おばあちゃんが路地へ向かうと、もう一匹同じキジ柄の猫が走ってきて、トラキチもやおらおばあちゃんの後について歩き出した。もう一匹はおばあちゃんを追い越したところでおなかをだしてゴロゴロして、起き上がり先に行き、トラキチはおばあちゃんが立ち止まって振り返るのを見て走り出し、足元にスリスリしてから先へ走ってゆきました。
以前も、はんてんを着込んだおばあちゃんにぬくぬくに抱っこされて、おうちに帰るトラキチを見たことがあります。
