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タイトル未定「旅路(仮)」
小日向文世、50代サラリーマン。長い間家庭も顧みず仕事に打ち込んできたが、先も見えてきて、人生にくたびれている。子供はなく、専業主婦の妻(麻生祐未)と二人暮らし。帰宅しても、妻の話に耳を傾けるでもなく、食事をし、入浴し、テレビを観ては眠る毎日。
ある日帰宅すると、家に妻の姿がない。室内は明るく、帰りを待って用意されたかのような食卓は暖かい。妻のいる気配はするのに、姿が見えない。
ふざけているのかと声を上げるが返事はなく、つき合っていられないと無視を決め込み床に就くが、朝になっても妻の姿は見えなかった。
でも、テーブルには朝食の支度ができている。いつもと変わらない風景。ただ妻の姿だけが見えない。
数日の間、騒ぎにしたくない気持ちもあり、さりげなく居所を探ってみるが、妻の行方はしれない。ただ毎日、妻がいるかのような家が自分を待っている。夜、もう警察に届けようかと思ってると、布団に滑り込んでくる妻の温もりを感じた。小日向は姿の見えない妻を抱いた。
翌朝、テーブルに朝食はなく、妻の気配は消えていた。
つづく
