「とおもいこしをあげたおいしかた」と拙い文字の踊る夏休みの日記帳は既に古びて、クレヨンの色は褪せ、油のしみが浮いている。こんなもの、いつまでもとっておくから…と言いかけて振り返ると、母は洗濯物を膝にうとうと船を漕いでいる。