『聖なる怠け者の冒険』森見登美彦著のネタバレ感想〜2〜
・四十にして惑う所長とか、「引きこもっていた時期もあった」という“待つこと”を知っている浦本探偵とか、「いつまでも今のままではいられないよ」という恩田先輩とか、「逃げ切れると思わないでね」という桃木さんとか、寂しいなら出てくればいいのに出て行かない八兵衛とか、恩田先輩にも「もう戻ってこられないだろう」と思われながら思いがけない帰還を果たした津田さんとか、小和田君を巡る人々がすごくニンゲンらしくて、誰もが自分の生きてきた時間から見つけて来たことを糧にし、小和田君への言葉にしているかんじがありました。これまでの作品とは違う躍動感と存在感がありました。
・玉川さんが力強かったし!
・で、主役の小和田君です。作中でも「無用の用」とか「怠け者の中にも“聖なる”怠け者がいる」と書かれていて、本人も最後まで「するべきことはなにもない」と嘯いたりしているけれど、“聖なる”怠け者が現れるのは、やはり宵山という祭りの時間だけだったんだと思います。最終章で小和田君は少しだけ変わっていました。丹念に描かれた小和田君の怠け者世界は魅力的だったけど、作中でもその生き方は否定されてはいないけれど、終わって、始まるんだなぁっていうかんじがしみしみとしました。
雪杯×すのう!のことを語る
