id:a-cup-of-snow は
雪杯×すのう!のことを語る

【『断色』の感想〜ネタバレ】
・登場人物は3人だけで、小杉さん、夕子さん、刈谷さん。それに小杉さんの母親、朝子さんが回想(妄想)で登場します。朝子さんのシーンは小杉さんの話と考えて、三人のストーリー+時代背景と4つのパーツがあって、これがそれぞれすごく重い。夕子さん、刈谷さんのエピソードはもう少し軽くしても、十分に時代を語ることはできたと思う。たぶん作家さんの癖なんだろうな。趣味というか。
・北、南、中央という地域が登場するのだけど、私には北が東北を意味しているようにしか思えなくて、辛かった。去年の「ヘドウィク…」もそうだけど、事件や事故、災害をフィクションに取り込むことへの抵抗感って、個人差があると思う。あと、その事件などとの精神的な距離とか、そういうのでも違ってくるんじゃないかなぁ。当事者だったら尚更だと思うし。
・母と子がテーマだということだけど、他に散りばめられていることがトゲトゲしていて毒々しくて禍々しくて、今日はそこまで辿り着けません。時間が経ったら、あれこれ落ち着いて、違うものが見えてくるのかなぁ。
・誰かに教えてほしいことの一つは、これ。父親が育てていたのはリンゴ。で、リンゴは失敗して、小杉さんが育てているのは苺。リンゴはラストにも出てくるし、食べるべきか食べないでおくかが語られたりするし、「母親とは生きていくための術を教えるものだ」という台詞があることから、リンゴは知恵の実のイメージを軽くまとっているみたいなんだけど。(隠喩というほどは筋道がたっていない)では、何故小杉さんが育てているのは苺なのかな?ポスターも苺なんだよね。苺に意味はあるのかなぁ?
・その他、いろいろあーでもないこーでもないと話し合いましたが、ネタも謎も尽きない、見ごたえのある作品でした。ネタバレって書いといて、最後に言うのも変だけど、お薦めです。