「殿様の通信簿」
徳川幕府が集めた各藩、大名の内情を著した秘密文書「土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)」を金井圓氏が書物にしたものをベースにしています。有名大名の後世に作り上げられた虚像とは異なる姿や、志村けんのバカ殿みたいな殿様の暮らしと、何故そうなったか?などが、読みやすい文章で描かれています。
戦国時代の影が薄れ、太平の世となった頃の大名は、現在の日本人の生活を先取りしたような暮らしをしていました。その大名が考えていたこと、行ったことは、現代の私たちの姿に何か重なるものがあるのではないか。莫大な資料に浮かび上がる大名の姿を離見することは、現代の私たちに意味のあることではないか。そういう思いを持ってまとめられた本だということです。
面白かったのですが、ボリュームが足りなかったです。もちろん、これはきっかけの本なので、興味が沸いたなら「土芥寇讎記」を読めばよいことです。読みたいです。
でも、わかりやすく伝わりやすい数件を読んで、著者の思いも文章で読んでしまうと、なんだかもったいなかったかなぁと。有名無名の大名の生々しい日常を、その時代に入り込んだかのように大量に読み、その上で何かを自分で感じ取りたかったなぁと。
