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くたびれ はてこのことを語る

わたしは以前祖父の立場に近いところにいた。
場の雰囲気に言動がそぐわず、ノリが悪く、多数決に従わないから。
自分が自閉症だとわかるまでは、どんなに努力しても先方がなぜ怒るのかわからなかった。
自分だったらどう思うかを考えてもまったく違うから仕方がない。
今はわかる。それでずーっと向こうに合わせている。夜は眠れず食事も喉を通らなくなるくらいずっと。
それで父一家は機嫌がいい。わたしは役に立つし気分をよくしてくれるから。
そうやって少しずつ恩を売って、点数を稼いで、祖父の部屋へ行く。
いくら礼儀正しくわかりやすく穏やかに話してもあの人たちは納得しない。
でもよく思っている相手の願いなら、多少の不整合はいくらでも大目に見る。
だから気に入られることが祖父に近づくことに繋がる。

祖父は恐らく自閉症だと思う。軍隊での苦労話を聞いているとよくそう思う。
父一家は「やることがはてことものすごく似ている」という弟の子どもにも酷かった。
こんな小さな子によくこんなことが出来るなと驚くようなことを言ったりやったりしていた。
でも弟が離婚してからはいつの間にか「私たちが可愛がっているあの子」という話になっている。
いつかそんな風に「晩年はずっと祖父の介護をした」という話になるんじゃないかと思う。

祖父は掃除洗濯買い物すべて、ヘルパーさんの助けを借りながら自分でこなしている。
ヘルパーさんのお金はもちろん祖父が払う。父にちょっとびっくりするほど生活費も入れている。
祖父は本当に自立している。身びいきを大目に引いても人物で人格者だと思う。
でも父一家は祖父をものすごく冷淡に扱う。
祖父に何か怨みがあるというんじゃなく、反撃しない、立場の弱い人だからだと思う。

父一家が極悪人でも馬鹿でもない。
ただ自分が気に入らない人のことは義理も恩も借りも帳消しにして平気でいられるということだ。
獣みたいに。