恋愛のすばらしいところは、世間一般の常識から考えたらどうしようもない部分を持っている人を
世界で一番たいせつだと文句なしに思えることだと思う。
そして不確かな世界で子どもを作るにはある意味で常軌を逸した状態が必要なんじゃないかと思う。
「やることなすことそりゃ酷くて気も合わない。でもすきだったから結婚しちゃった、子どもを持った」
という人を万引き犯か何かのように批難する人がいるけれど、そういう状態なしに人類は繁栄できない。
「カラマーゾフの兄弟」の冒頭にもあの三兄弟の母がそんな風に父親に嫁いだくだりがあった。
「あなたの父親はわたしが子どもを産もうと思った人なんだ」
というメッセージを母親から受け取っているかどうかは大きい。
もちろん政略結婚だったり何かの陰謀で力の限り抵抗したのに夫婦にさせられた人もいると思う。
始まりにも経過にも恋も愛も何もない人もいると思う。
でもささやかで脆いものであったにせよ、未熟な判断ミスがあったにせよ、愛したことがあったなら
自分がまったく望まないものを配偶者に強いられたかのように子どもに伝えるのはずるい。
子どもは無条件に母親を守り助けたいと思っている。
それが自分を否定することになるとか、母親がどこまで真実に基づいているかとか考えないしわからない。
そういう相手に、自分の過去を肯定するためその人の父親を否定するようなことを言うのは酷い。
揚句その子を何十年かかけて実質伴侶にしてしまうのはもはや狡猾の域だ。
