祖父は自宅の風呂の石造りの床と浴槽で滑るのが恐ろしく、入浴は週に二度ケアハウスで済ませるのみ。
浴室に手すりを、すべらない椅子をと何度か話してみたけど父一家は乗り気じゃない。
そもそも父宅には祖父の居場所がないような状態でいつも見ていて辛い。
祖父がいなかったらあんたら三人ともいま生活できてないじゃん?!と思うんだけどどうにもこうにも。
そこで喧嘩しても祖父の待遇がよくなるわけでもないし、できることをするしかない。
祖父を外に連れ出して楽しませたいと思うけれど、ふだん父一家は祖父と出歩くことも喜ばない。
今回父から祖父を温泉に連れて行ってくれないかと頼まれて、渡りに船だった。
でもほんとだったら温泉だって石の床に石の浴槽で手すりもないし恐ろしいことには変わりがない。
喜んで祖父と一緒に温泉に入ると言ってくれているもちおをもっと大事にしんといけん。
もちおがいなかったら甥太郎と温泉に行くことも出来なかった。
