なぜこの人の作品がすきじゃなかったのかよく考えてみたら、この人からは親が離婚した直後くらいに子供だけで家にいるときやってきて意地悪なことを言われて、それ以来ずっと根に持って来たのだった。なぜそんなことを言ったかというと、この人の後輩を絵の先生にと紹介された中学生のはてこが、作風が暗くて嫌だといってすぐやめてしまったことを、先方は根に持って復讐しに来たのだった。
そのときの話には直接触れなかったけれど、先方が早々に絵の先生をしてくれた後輩の話を出してきて、こちらも遠まわしに覚えていますよニコニコと対応したら少し意外そうな顔をされたので、向こうもずっと根に持っていたのかなあと思う。たった一ヶ月足らずの出来事だったんだけど、きっと大事な後輩だったんだろうな。だけどほんと彼女のお手製絵本は中学生のわたしには怖かったんだから仕方がない。
加えて今回車のなかで昔の話をつらつらとしていたら我が家の離婚当時の状況がよく飲み込めていなかったみたいで、まあそんな俗っぽいことには興味のない人だろうと思ってはいたけれど、ぎりぎりのところで親の代わりにたった一人であの人に対応したわたしはずいぶん傷ついた。
その前に、初めて会った時六年生はてこが夢中で自分の好きなものを話し続けたことでたいそう気に入られ、嫁にしてやってもいいと親に言ってきたことを親から聞いて、親の言い方もアレだったし異性としてなんて見てない大人の男性にそういう対象にされたことに思春期の複雑でデリケートなハートはひどくショックを受けて一気に拒絶方向に気持ちが動いていたため、そもそも彼の紹介というのが彼とかかわりが出来るみたいで嫌だった。最初にすごく気に入って仲良くしたからよけいに嫌だった。
不幸な事故であった。でも個人的には無邪気な小学生女子と離婚家庭の孤独な中学生女子長女の肩を持ちたい。大人は少し配慮しろ。
まあでもいいや。もう少女じゃなくなったしな。適当なことも言えるし先方も結婚したしもちおもいるしな。
