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くたびれ はてこのことを語る

春先に車で東京福岡間下道大移動をしたとき、ふと思いついて神社でお札を買った。
その後こちらへ越してから小さいころからよく行っていた山の神社のお札も買った。
太宰府へ行ってまたお札を買った。
そしてお猪口や一輪差しやお菓子の箱を使って、見よう見まねで神棚を作った。

自分なりに調べたところ、神道でいう神さまは地元の有力者のようだと思った。
なので、引っ越してきたところで地元の神さまにご挨拶させてもらおうと思った。
神棚は立ち寄り事務所みたいなところだと思った。
きれいにしておけば寄ってくれるけど、掃除してないとダメなんだって。

毎朝お水をあげて榊の水を替え、お酒は黴が出ないように気を付ける。
お塩とお米は適当に取り替える。そして一日のご挨拶をする。
面識のない人から一方的に頼み事をされていい気はしないので、お願いはしない。
「今日もここで生活させていただきます、せっせと働きます」
と宣言する。ほんと地主か縄張り張ってるその筋の方に挨拶をする感じ。

ところが思いがけない実家呼び出しで丸々一ヶ月家を空けることになった。
帰ってから枯れた榊と黴びたお酒と溶けた塩を捨て、食器を洗った。
そこで気力が尽きた。なんだかもう、いろいろ嫌になっていた。
それでお札の前に何もない状態で数週間過ぎた。
その間ご飯も食べられないし生ものには触れないし台所に入るのも怖かった。
こういうときってろくなことを考えないし、ろくなことをしない。そしてお金が出ていく。
ああもうなんだかな、いつかまたご飯を作って食べたりできるんだろうかと思った。

ほいで、三日前にとつぜん神棚にもご飯(お米とお水とお塩)あげてないなと思った。
お米とお塩は腐敗しないのでそれだったらお供えできる気がする。
ということで神さま立ち寄り事務所の掃除とおもてなしを再開した。
願い事はしない。お世話になってます、がんばって働きますとご挨拶をする。
継続できるんかなと思ったけど、もちおもやる気らしいのでなんとかなると思った。

翌日からなんとなくあちこち片付けたくなり、昨日は二ヶ月ぶりにご飯作った。
台所はまだ怖いし生ものも怖いけど、怖いなあと思いながら対処できる。
苦しいときの神頼みというけれど、頼んでないのにふしぎ。立ち寄られているのか。
これで欲をかかないように気を付けよう。