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くたびれ はてこのことを語る

ベトナム男子の父はベトナム戦争の生き残りで、戦後貿易の仕事を少ししてから起業。
農閑期の農家に当たって竹製品を作り、裸一貫から始めて海外と取引するまでになった。
これまで日本語が話せる親戚の中間業者を通して売っていたがいろいろあって決別。
日本の企業に直接交渉すべく日本語が話せる息子を連れて来日したのであった。
ぜんぜん社長っぽくない。着ているものも持ち物、履物風貌も質素でよく日焼けしている。
大きな目と皮膚が張り付いた顔がどことなくオランウータンに似ていてどうにも微笑ましい。
お父さんは日本語も英語も一言も話せない。
言いたいことがあるときはこちらの目をまっすぐに見てベトナム語でにゃにゃにゃにゃにゃ!と話す。
「にゃにゃにゃにゃ!なー。えー?にゃにゃにゃー」
という具合。お父さんの話し方には独特の節回しがあって読経に似ている。
大酒のみだったが三年前に酒を止めて以来まったく飲んでいない。
大酒のみで危険が危ない域に来ているはてこ父65歳に
「70代かと思った。酒をやめればもっと元気になる」
と真正面からずばり(ベトナム語)で言った。
なんでもかんでも奢ろうとするはてこ父にはじめて徹底的に奢り返そうとしたベトナム人であった。
たぶんベトナム男子が父から掠めた金のことを知ったらなんとしてでも即刻返すと思う。
残念ながらベトナム男子は中学時代から進学のため下宿暮らしで父の背中を見ずに育った模様。
「ボクはおトさんに言えばすぐ(返済用の)カネ用意できるデスよ。てもボクはそれしたくナイでスね」
と「俺は親のすねかじりじゃないんだぜ」風にどや顔で言うので、
「そりゃ男子が作った借金だからね。男子が返さないとね」
と返したらむーっとして黙っていた。ばかめばかめ。
わたしああいう人が汗水垂らして働いた金使い込むやつには意地悪なのよね。