愛されなかったアピールの強い不幸系キャラで同情を引くのは意外に難しい。
「自分は不当な目に遭ってきた。だから自分は人一倍愛されるべき存在なのだよ」
と物欲しげなオーラが透けて見えるともうダメだ。
「店が潰れそうだからうちの商品を買え。これを見捨てるなんて人間じゃない」
と脅迫してくる店から下心なしに物を買いたい人はいない。
「そりゃ嫌われるの無理ないわ。周りの苦労がよくわかる」
と思われたらお終い。
弟の場合、実際はかなりの愛されキャラで、能力もかなり高い。
単に劣等感が強いため自己評価が低く認識がおかしいだけ。
だから弟の孤独や疎外感にまつわるエピソードを聞いた人は素直に同情する。
そんな評価は不当だと思うし、どんなに愛すべき存在か確信させたいと考える。
お人形のようにかわいい女の子が真珠の涙をぽろぽろこぼして
「お母さまは美しいけど、わたしは醜いの。だからお母さまは愛してくれないの」
と言ってる感じ。
もちろん弟は平素自分の不幸伝説を語ったりしない。
ただちょっとした日常の失敗や上手く行かなかったことをあどけなく寂しげに語る。
このさじ加減が絶妙。唸らされる。天性のものだと思う。天才。
不幸系キャラで成功するにはかなりの能力と愛され系の才能が必要だ。
小公女がちょっとでも性格悪くて変な顔だったらみんな落ちぶれた先は読まない。
