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くたびれ はてこのことを語る

地元でたいへんな藪として名を馳せている父の友人のお医者さんがいる。
祖父が長年通院しているけれどいっこうによくならないので病院変えたい。
でもこのお医者さんはちょいちょいうちに遊びに来る。
付き合いがあるので病院変えると角が立つからと祖父は遠慮している。

昨日父が人を集めて食事を振る舞った。
ボクシングの新しい協会についての話題が白熱していたときのこと。
ブッシュドクターが話の輪から外れてだんまりしていたので話しかけてみた。
「ボクシングはお好きじゃないんですか」
「俺はスポーツ好きやないけんね」
「そうなんだ」
「野球とかゴルフとかやりよったけど、心臓悪くしてからぜんぶ止めた」
「あらら。じゃあいまつまんないですね」
「いやぁ、そうでもないよ。もともと身体動かすのがすきやないけん」
「それじゃいまお休みの日は何してるんですか」
「何もしてないよ。家でじーっとしとお。人にも会わんね」
「楽しみにしてることとかないんですか」
「ないね」
「絶望の日々ですか」
「いやあ、楽観主義やき。なるようにしかならんよ」
「明日はこれやろうとか、今度これがあるから楽しみとかないんですか」
「ないね」

日々酒を飲んでじっと死を待つ医者、という感じであった。
毎日明日に向かってきらきらしてる祖父の後押しが出来る状態ではなかった。