お昼にもちおが急に帰ってくると電話してきたとき、わたしは買い物帰りだった。
食材もあり、余力もあってぱぱぱっと色々のせたおうどんを作って出した。ミラクル。
もちおはふつうに帰ってきて、漫画を読んで待っていて、出来たらありがとうと言った。
玄関には花が飾ってあるし、妻は着替えて立ち働いているし、うどんは美味しい。
でも特に何も言わずいつも通りのもちお。
食後、ふと皿に山盛りのみかんを発見して、喜んで食べていた。
昨日はなかったみかんがリビングに飾られた花の横に山盛りになっている。
昨日切らしていると言っていたうどんが出てくる。
でも特にふしぎに思わないらしいもちお。
わたしだったらすぐに気付く。散らかった部屋にも片付いた部屋にも超反応する。
散らかっていればすぐに苛々するし、片付いていれば恍惚となる。
もしもわたしが結婚以来ずっと健康で、人並みの主婦業が出来ていたら
「何をやっても気付かない、鈍感で張り合いがない」
と思ったかもしれないと思う。
でも今やわたしはこの鈍感さとマイペースさが、帰宅後食べるものが何もなく、着替えもなく、散らかった部屋で妻が悄然として寝込んでいるときにも、淡々と必要な衣類を自己流で洗濯し、食器を洗い、人間用カリカリを食べ、散らかっていようが食事がなかろうが特に不平もないという形で発揮されることを知っている。
よかったよかった。
