ママンははてこが小さい頃、ピンク・フリル・レース・花柄といったものをまったく着せてくれなかった。
ママンが好むはてこファッションはブリティッシュのおぼっちゃんおじょうちゃんだった。
ママンがはてこに選ぶ色は黒、赤、焦茶、濃紺、濃緑などで、色そのものに少女らしさのない色だった。
形はあくまでシンプル。時にトリッキーなしかけがあり、特にリバーシブルがお気に入りだった。
ママンは少女はてこの容姿がたいそうお気に入りだったのにけしてリカちゃんのような服を着せてくれない。
そのことを長い間、ママンのはてこに対する性的抑圧だと思い恨みに思ってきた。だって理想の息子とか言うし。
キャンディ・キャンディ、花の子ルンルン全盛に育ったはてこはふりふりドレスが着てみたかった。
でも先週の日曜日にやっと
「ママンが昭和の福岡でこういうお洋服を小さなはてこに着せたくないと思ったのはもっともだ」
と思った。ママン、ごめんね。シンプルでかわいいお洋服を着せてくれてありがとう。
