「えー、これ捨てちゃうの?こ賞味期限って消費期限じゃないんだよ?(プ」
「平気じゃない? まだぜんぜんいけるっしょ?」
「帰ったらママがやるんじゃない?」
この辺はまだいい。
「場所が空いちゃったらまた色々買ってきちゃうんじゃない?」
これには驚いて在庫管理とか鮮度とか食べごろとか聞いたことある? と思ったけど黙っておいた。
「(賞味期限も過ぎているし誰も食べたがらない食材なのは認めるではけれど食事として出せば)おじいちゃんが食べるっしょ?」
あのな、わたしにとっては愛する祖父96歳はおまえの子どもと同じくらい大事なの。
祖父の胃袋は貴重な臓器だけどエコで無害な有機物を形成する生ごみポストじゃないの。
期限切れになってからうちに送ってきたりすんのも同じ発想なんだろうけどさ。
だいたいこれ食べたいと思って買ってきたのはうちでも祖父でもないだろ。
食える食えるっていうけどこれ食い終わるまで買い物も外食もすんなって言ったら出来るの? 出来ないだろ?
興味ないから何年も放置してきたんだろ。
あのな、石の上にも三年っていうのは期限切れ食糧備蓄の話じゃねえんだよ。
と思ったけど「このままでいいよ」を唱えまくる現状維持教徒を折伏するのは今じゃなくていいと思って黙っておいた。
とにかくこの家の主婦は継母であって一時帰省中の継妹じゃないので主婦さまのお言いつけ通りにやらせていただく。
でももしかしたら継母から
「処分してほしかったのは冷蔵庫の中のものだけだったのにここまでやるなんて」
とクレームがくる可能性もあるので、賞味期限切れで場所を取るものをいくつか目立つように残しておいた。
処分するものは透明な大ゴミ袋に直接捨てないで不透明なゴミ袋に小分けしておいた。
久しく見向きもしなかった玩具やすでに愛してない恋人でも去り際に会ってしまうとショックが増すことがありますものね。
逆恨みされたくないので自分の手で一輪車に乗せてゴミ捨て場まで運んだ。大ゴミ袋10袋あった。
