留守番中、祖父の夕食に茄子ときゅうりと人参の塩もみを出したら祖父が箸をつけなかった。
食べきれないのかな? でも消化に負担のないものなのにと少し不思議に思った。
翌日祖父に「それ、お漬物じゃないよ」と言ったら祖父が安心したように「そうかね、漬物は食べんよ」と言った。
そしてきれいに平らげた。
台所には継母が作った糠床があるんだけど、すっかり腐ってぽちゃぽちゃになっている。
留守中腐ったもの、黴が生えたものは捨てていいと言われていたので捨てようかなと思った。
でも量がすごいし、どこへどう捨てたものか決心がつかず、放っておいた。
帰ってから継母に糠床をどうするのか聞いたら、糠を足して使うのだと言った。
これに?!いや無理じゃない?
と思ったけれど、継母は糠を買ってきて足したようで、数日後にはぽちゃんぽちゃんしなくなっていた。
「ね、大丈夫でしょう」
と言って継母が糠床入りのタッパーを開けた瞬間、強烈な昭和の公衆便所臭がした。
明らかにもやしもん的にディープな状態になっている。
これで?!いや無理じゃない?
と思ってやんわり言ってみたけれど、大丈夫大丈夫と言ってまた蓋を閉じた。
あの顔は、本人も大丈夫だと本気では思っていない。たぶんもったいないと思っている。
あれを祖父に食べさせていたんじゃないかと思う。
帰省中何度か腐った野菜が食卓に上がって、わたしは黙ってティッシュに出して捨てていた。
自分で黙って捨てることが出来ない祖父と甥介の口に入らなければいいなと思う。
