中学のとき数ヶ月に渡って粘着質な嫌がらせをしてきた女子に反撃したところ状況が悪化したので担任に入ってもらったことがあった。
放課後担任は相手方に先に話をさせたのだけれど、言うまでもなくそれは彼女にとって都合のいい事実を歪曲したものだった。話が終わるのを待ってから「わたしの言い分は、」と言ったらその瞬間頬を張り倒され、「おまえの言い分はない」と言われた。「おまえはメガネをかけているから加減したが、そうでなかったらこれではすまさなかった」。
めぱくちり。一通り彼女の前で罵倒されたあと、彼女は帰され、さらに説教が始まった。
担任は実直で熱意を持った戦中育ちの誠実な男性だったけれど、彼女の話からわたしの動機を最悪の形で想像してそれを疑わなかった。話してみろと言われたけれど、わたしは泣かないでいることに全エネルギーを費やしていたため一言も話せなかった。担任はその沈黙を自分の非を知りながら強情に認めようとしないことの現れと思ったようで、嘆息しながら沈黙合戦はお開きになった。
わたしは待っていてくれた友だちのところへ行って、小一時間号泣した。信頼していた人間に動機を疑われたこと、長い間嫌がらせを受けてきたことを無視されたことが悔しくて悲しくてたまらなかった。でも敵の前で涙は見せたくなかった。泣くなら信頼できる人の前だ。わたしを追い詰めて小突き回して泣かせたい人はいつも大勢いたから。
