もちおは長男で、他の兄弟はまだ誰も結婚していなくて舅姑には孫もいなかった。
一方わたしの親族は結婚、出産するだけでは飽きたらず離婚再婚養子縁組など忙しかった。夫の親族は誰も離婚していない。
夫の親族にとって結婚した夫婦が子どもを持ち、お金はなくとも大事に育て、末永く共に暮すというのは足下に地面があるのと同じくらいしっかり信じられることのようだった。
けれど、わたしは地面なんていつ地割れを起こすかわからない、親族もずいぶん飲み込まれてるしなと思って生きていた。
それでわたしの側は「せめて地震対策をしっかりしてから家を建て、さらに保険に入ることが出来るようになったら将来を考えましょう」と思っていたんだけど、夫の側はいつまで経ってもその必要を感じないのであった。ただ漠然と、いつかわたしの体調が上向きになったら自然に考えが変わるだろうと思っているようだった。
対策をするのはわたしの気を休めるためだと思っているので、対策を立てずとも気が休まればそれでよかろうと思っていたんじゃないかと思う。そういうわけで具体的に子どもを持つための貯金や保険、プランはいつまで経っても立たなかった。
