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くたびれ はてこのことを語る

霧島洋子はカレンちゃんら三人姉弟を育てていたときしょっちゅう引っ越しをしたのだそう。
「さあ、このトランクに入るだけの大事なものを選んで。」
と言って、いつも最小限の荷物を選ばせていたんだって。
わたしがその話を読んだのは14歳の時で、親のせいでそんな風に何もかも置いてこなければならないなんてかわいそうだと思った。
わたしは家と庭とその周辺の環境もみんな、ある意味で一生そのままでいてほしいと思っていたのだと思う。変わらないでほしかった。そしてモノがそこにあれば、変わらないのだと思っていたかもしれない。それで小さい頃の服や玩具は何でもとっていたし、弟が捨てた人形も拾って天袋に仕舞っていた。

わたしは数年後本当にバッグ一つで家出をしたけれど、心のどこかに親が何もかもそのままにしていてくれるという幻想を持っていたと思う。二度と帰らないつもりでいたのに、実際自分の持ち物が処分され、部屋がリフォームされていったときものすごいショックを受けた。いつか帰りたいと、それまでに理想の家になっていてほしいと思っていた。なかなか、時間が経つと言うことにあきらめがつかない。