もちおは人に何かしてあげたいという気持ちが強い。しかも考えなしに買い物をする。
それで以前は衝動的につまらないものを買ってしばしば贈答テロを発動していた。
もちおが始めてくれた物は道ばたで一山いくらで投げ売りされているような食器類だった。ぜんぜんすてきじゃなく実用性にも問題がある食器。ざらざらの糸じりで食器棚を傷だらけにするような食器。蓋モノがしっかりしまらないような、食器と食器がこすれると黒板を爪で引っ掻くような音がする食器。なぜこんなものを。おまえは不要品を押しつけてくる親戚か。嫌がらせだろう。
「一人暮らしだから役に立つかと思って」
「一人暮らしも10年以上だって話したよね?」
「気に入らなかったら捨てて」
「なんで捨てていいようなモノを送ってくるの? 燃えないゴミなんか出したくないのに! この辺ゴミ出しのシステムが複雑なのに!」
彼の嫁はこの調子で姑の贈答テロにも逆上するので結婚後はそのことでしばらく揉めた。
人に何か差し上げるというのはなかなか難しい。
気軽に捨てられない性格だったり、気軽に処分できない関係だったりすると尚更だ。
