こう書くと神経質でしかめつらしい人のようだけれど、そういうわけでもない。
壁にプリントアウトされた「落穂ひろい」の絵が貼ってあったが、この絵の地面には入れ歯のようなものが落ちていて、
「落ち歯拾い」
とタイトルが入っていた。このほか三枚ほどそういうジョーク絵画が貼られていた。
笑わせて緊張をほぐしたいのか。でも笑える雰囲気じゃないし。
声のかけ方がまた独特で、催眠術者のような一定の間延びしたリズムがある。
いつもそうかというと、こちらからイレギュラーな質問をしたときはふつうに返ってくる。
ふつうというのはわたしがおかしく思わないということで、ほかの人はどうか知らない。
計測器は色々な配線がむき出しで手作り感があふれている。
施術用ベッドにうつぶせになるとくり抜いた穴の下に小さなファンが回っている。
PCデスクに可動式のマウス台を自作している。
使っているソフトはwindwsペイントとエクセル。シンプルな機能をうまく使って成果を上げている。
この人は発明好きだ。そしてハンドメイド好きの凝り性だ。そうして追及した技術はたいしたものだ。
休日は一人で山に登る。自然から離れると頭がおかしくなると言う。
アスペルガーのサンプルみたいだ、と、内心同郷の友を見つけたような気持ちでいた。
