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くたびれ はてこのことを語る

翌朝目が覚めると枕元に一風変わった人形があった。
大きさは大人の手のひらほどで、親指に手足が付いたような形をしている。
胴体は深い紺に紫と桃色の花柄の別珍で、親指の爪の部分が顔だった。
かまぼこ型の白い顔は木綿で、黒いボタンの目と赤糸の口があり、灰色の毛糸の前髪があった。

この人形は、ゴム鉄砲を作ってもらえないわたしを不憫に思った母が夜のうちに作ってくれたものだった。
わたしはそのころ好きだった絵本に出てくる名前をとって、まるちゃんと名づけた。
まるちゃんはいい人形だった。
綿が少なく厚手の鍋つかみのようだったけれど、どことなく安心感があり、頼もしかった。
わたしははじめて、女の子に生まれてよかったと思った。だってまるちゃんがもらえたんだもの。