その後わたしは倒れて仕事ができなくなったり、結婚したりして、また何度か引っ越した。
引っ越しをするたびまるちゃんのことを思い出す。そしてあの不気味な家のことも。
なんでまるちゃんをしっかり持って出なかったんだろう。
まるちゃんも一緒に引っ越したかったのに。
なんで家から出られなかったんだろう。
住んでいた家から出るなんてなんでもないことなのに。
そして最近思う。
あの家を無事に出て引っ越せたのはまるちゃんのおかげなんじゃないかな。
誰かがわたしの代わりにあそこに残らなきゃならなかったんじゃないかな。
あるいはわたしがまた戻ってくるように思わせなきゃならなかったんじゃないかな。
