おかんの家庭内孤立は早くから始まり、静かな疎外という形で長く続いた。
おかんはいつも頭数にいれられていた。
美味しい物は家族で食べて、必要なものはちゃんと与えられた。
ただグランドおかん、長姉、末娘の三人組の仲間にはしてもらえなかった。
おかんは人形が大好きで、象牙細工をふんだんにほどこした雛人形を熱愛したが
それは長女のお輿入れで長女のものになった。
末娘には結婚に際して別の雛人形が買い与えられた。
ある日おかんの押入れを見たら、靴箱のような古い箱があった。表に
「私のお雛様。やっとやっと、私にお雛様が来てくれた。ありがとう」
と書いてあった。
おかんは50近くなってから、古物市で探し求めた雛人形を自分で買ったのだった。
くたびれ はてこのことを語る
