id:florentine
florentine(磯崎愛)のことを語る

「その時その時を私たちが不完全にしか生きられないのは、今そうであるように、かつてもまた、不完全にしか生きられなかったそれ以前の時を思い出すことにあまりに汲々としていたからだ。」
「私は自分を叱咤する。「いいかげんにしろ、打ちひしがれた心の古い物語を綴るために、これでもかと心を打ち鳴らすのは!こんなページなどうっちゃってしまえ!」私はむなしく叱咤する。どれほどいっさいをうっちゃってしまおうと思っても、何もかもがなお生き残り、よみがえってくる。」

「才能あふれる教師の微妙な役割は、三分の二の良い種を引き抜き、麦芽を繁茂するがままにしておくことにある。もっとも優れた教師とは、その存在で重圧をかけることにおいて尽きることを知らぬ人である。」

「私は自分の周囲にいる人々の言うことに耳を傾けながら、私たちは誰もが傷ついたレコードなのだと思うことで慰められる。私たちはたえず誰かのモチーフをなぞり、誰かの癖を、誰かの野心を、誰かの欠点をなぞっている。」
「もっとも傷のない、純粋な、ほれぼれするような再生状態のレコードがあるとすれば、たぶんそれは独創的作家なのだろうが、私はそんな作家をひとりも知らない。」
キニャールぼっとさん
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キニャールのかいていることばたちはどうしてか、ほんとうにじぶんと浸透圧が違わないように感じるというか、音もせず風もなく、ただ痛みみたいな切なさとともにしみわたるのだ