駅まで小走り。
腰まで伸ばした白髪が斑に染まったばあちゃんがふらふらと漕ぐ自転車を右から拔いたとき、ばあちゃんの自転車が止まり、どうやら右手方向から近づいてきた別の自転車に向かって話しかけるのが聞こえた。
「すみません、五反田ってわかりますか」
「えっ」
「五反田ってわかりますか」
まで聞こえた。
ここは川崎市多摩区と高津区の境目。東京のよく聞く五反田なら20キロくらい離れているのではないか。検索したら生田にある五反田神社というのが引っかかったが、こちらも10キロくらいありそうだ。
どの五反田なのか。あるいは自転車で目指しているわけではなく、知っているかどうかの街頭調査なのか。
