----- JACK (4・完) -----
ジャックが金粉のきらめきに見とれながら、
じりじりと這いあがる熱に灼かれて気を失いかけたときです。
村人の足のはるか下からどどどっどどどっという地鳴りが近づいてきたかとおもうと、
地面を衝きぬけ、犬と村人を吹っ飛ばして空へ駆け上がりました。
村人には何が起こったのかさっぱりでしたが、
少し離れた場所で成り行きを見守っていた神官にも、
うちで待っているように言いつけられた子ども達にも、
畑をいくつも越えた丘の上に住む王にさえも、はっきりと、
大きな一本の樫の木が、松明のように火を噴き空へ飛んでゆくのが見えました。
ジャックがどこへ行ってしまったのか、誰も知りません。
大人たちは都合の悪いことはたいてい黙っていますから、
翌日にはまるで何もなかったかのように皆畑に出てゆきました。
でも子ども達は見たのです。
口々に「ジャックがおらんなった!」と話しました。
ジャックがおらんなった話は次々と広がって海を渡り彼らの故郷の大地へも届きました。
ある地方では樫の木が豆の木に変わり、東の島では倉が空を飛ぶ話に変わったりして。
「ジャックがおらんなった」お話はあなたのところにも届いていますよ。
そう、「ジャックオランタン」.聞いたことがあるでしょう?
ときどき思い出してください。
なんかへんな子、ジャックはいつの時代もどこにでも居るのです。
うさのことを語る
