[超はんぺん](=超半端な短編)
--- 光 ---
「閉めて」
振り返りきらないままにお前は言った。
「・・・なに?」
咄嗟に出た声のトーンを悔やみながら、俺は扉を後ろ手に閉め
ゆっくりと、一歩、一歩、シルエットに近づく。
絹糸の束が無造作に枝垂れ落ちる向こうで
ちいさな光が息をするかのようなリズムで明滅している。
それで俺は自分の狼狽のわけにやっと気づいたのだった。
それは光りではなく髪だ。
俺はお前が髪をおろしているのを、寝室以外ではまだ見たことがなかったんだ。
「蛍」
「蛍か・・・」
うさのことを語る
